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フラワーチルドレン

2021年8月13日(金)20:28
カテゴリ:安曇野の陽だまりから, 旅日記  トラックバック:URL

1960年代後半、東西冷戦は一層の緊張と危機感をあおり、ベトナム戦争は次第に泥沼化しつつあった。
その時、非暴力により反戦を訴える若者たちが かの地アメリカにいた。大人たちは彼らを〝ヒッピー〟と呼び、さげすみの目を向けた。
当時カリフォルニアの州知事であったロナルド・レーガンは、「ターザンのように粗野で、ジェーンみたいな髪をし、チーターほどに臭い連中……」と揶揄したというけれど、そうした封建的モラルと権威を嫌った彼らは、ただただ自由と平和を愛し、一本のギターで世界を変えるのだと信じた。
個人主義と利他的思想を混然と精神に有する彼らは、自分たちの存在を「フラワー・チルドレン=花の子供たち」と称し、ある者は歌い、またある者は詩を読み、何かを啓示し風刺しようとした。
「Love and Peace」「花は愛と平和の象徴」と、スクラムを組む彼らのデモを州警察は阻止しようとした。そこへ 一人の少女が近より、その銃口に一輪の花をさし、「戦争なんかやめて愛し合いましょうよ」「私たちは自然に還って自由になるべきなのよ」と語りかけた。
そうした彼らの行動は『フラワー・ムーブメント』と呼ばれ、ある種の世俗文化を築づいた。
そしてそれが、毒された物質文明の社会に一石を投じる役割を持ったのは事実であるが、残念なことに、その実りを今のアメリカにまだ見ない。

「八月の交響楽(シンフォニー)」より




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