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確かな言葉

2021年8月9日(月)20:21
カテゴリ:安曇野の陽だまりから, 旅日記  トラックバック:URL

アマゾンの奥地に、文明をこばみ続け暮らすヤノマミという小部族が在る。
「ヤノマミ」とは「人間」を意味する。そして自分たち以外の文明人を「ナプ = 非人間」と呼ぶ。誰彼かまわず笑いかけ、他人への懐疑心や悪意というものを全く持たない彼等は「愛」という言葉を知らない。愛がないのではない。愛に溢れ、愛があるのが当たり前だから、愛という認識が分からない。ただ包容し慈しみあうだけのことに、「愛」などという俗語を持つ必要を認めないのである。言葉とはそういうものだ……。
例えば「自然」という言葉がある。そして、木や土や川がある場所を私たちは自然と呼ぶ。ならば都会はいかにも不自然ということになる。もし原始にもどり、どこもかしこもが森や草原に囲まれるようになったなら、たぶん「自然」という言葉もなくなるのだろうか。
ならば、「平和」などという言葉もいつかはなくなるに違いない。
私は早くその日が来ることを願っている。

「八月の交響楽(シンフォニー)」より




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